モバイルバッテリーとポータブル電源の違いは?
昨今のキャンプブームや防災意識の高まりによって、役立つアイテムとしてモバイルバッテリーやポータブル電源が注目を集めています。両者とも共通することといえば、コンセントがない場所や停電などの状況で電気機器に給電するために利用するものですが、それぞれどのような特徴や利用方法があるのかみていきます。
ポータブル電源とは
ポータブル電源とは、持ち運びできるバッテリー機器のことをさし、家庭用ACコンセントやUSBポートなどがついていて、いろいろな場所やシーンで充電や放電することが可能です。電気を多く蓄電できるため、最近人気のキャンプシーンでは、ライトや調理家電などに利用されるなど、アウトドアの新定番アイテムとして重宝しています。似ているアイテムとしてはモバイルバッテリーがありますが、主に用途や容量、出力口や、定格出力に違いがあります。モバイルバッテリーはスマートフォンをはじめとするモバイルの充電や給電が主な使用方法で、容量が小さいものが多く、出力口もUSBが2個程度のもので、最大18Wの出力をもつ製品が多数を占めています。
一方で、ポータブル電源はモバイルバッテリーよりも大容量で高出力なものが多く、AC電源やUSB、シガーソケットなど多様な出力口があり、屋外で電気を多く使用する時に重宝し、おおよそ200W以上の定格出力があります。出力が高いことからパソコンや扇風機などはもちろん小型のIH調理機器や冷蔵庫まで利用できるモデルもあります。もうひとつ、外出先で検討するアイテムとして発電機がありますが、発電機はカセットボンベやガソリンなどの燃料が必要で、騒音や排気の問題があるので、利用できる場所やシーンも限られています。
ポータブル電源はどんなことに使えるのか
ポータブル電源は静かで排気の問題もないため、安心していろいろなシーンで活躍しています。具体的にどのようなことに使えるのか紹介します。
電源が確保できない災害時
自然災害が多い日本では、毎年各地で災害が起きており、停電になることも少なくありません。停電になると灯りがないばかりか、あらゆる電化製品が使用できなくなります。そうした場合の電源としてポータブル電源は効果的で、いろいろな電化製品を利用することが可能です。あわせてソーラー電源を活用することで、ポータブル電源の充電もできるため、被災時には大活躍します。
アウトドアシーンで活躍
最近人気のキャンプなどのアウトドアシーンで活躍しているのがポータブル電源です。スマホなどのモバイル充電をはじめ、サーキュレーターや電気毛布、調理器具、プロジェクターなど、いろいろな使用方法があります。またシガーソケットもついているため、車中泊でエンジンを切っていても携帯掃除機や車載冷蔵庫なども利用でき、快適なアウトドアライフが楽しめます。
日常シーンで活躍
ポータブル電源は、アウトドアや災害時に活躍するイメージがありますが、日常的にも大いに活躍してくれます。ガーデニングで外で作業している時に扇風機を使用したり、電動工具などの給電したりもしてくれるため、コンセントやコードの長さを気にすることなく利用できます。また、仕事やキャンプなどをベランダや庭でする人も増えていますが、室内と同じような感覚で、電源を利用できるのです。
ポータブル電源を選ぶときのポイント
いろいろ便利なポータブル電源ですが、選ぶときにはいくつか確認ポイントがあるので紹介します。
AC出力の波形を確認
ポータブル電源の波形によって利用できる家電製品が異なります。波形は正弦波、修正波、短形波の3つありますが、おすすめは正弦波です。正弦波は家庭用コンセントのAC電源から流れる電流の波形のため、正弦波のポータブル電源を選ぶことで、家電製品を家庭用コンセントと同じように安心して使用することが可能です。正弦波よりも安価で手に入れることができるのが修正波と短形波ですが、多くの家電製品が正弦波を前提に設計されているため、一時的には問題なく動作しても故障につながることもあるので注意しましょう。
日本仕様の100Vの電圧がおすすめ
ポータブル電源の電圧には、各製造メーカーから100V、110V、120Vのものが発売されています。しかし、日本国内の商用電源電圧は一般住宅・オフィス用が主に100Vとなっているため、それ以外の電圧で電化製品を利用すると故障につながる可能性があるので、注意が必要です。
定格出力を確認
ポータブル電源が安定して出力し続けられる電力の量を定格出力といいます。電化製品にはそれぞれ消費電力がありますが、ポータブル電源の定格出力を超えると動作がストップしてしまうため、利用したい電化製品の消費電力以上の定格出力があるかどうかを確認しておきましょう。
モバイルバッテリーとポータブル電源ならどちらがおすすめか
モバイルバッテリーの主力製品としては、10,000mAhから30,000mAh程度の容量が多く、主にスマホやタブレットなどのモバイルの充電に対応した容量となっています。軽量なものがほとんどで、外出時に持ち歩く人も多く、通勤や通学など日常生活で利用するのに向いています。また、モバイルバッテリーで使用できる機器も限られており、USB接続が主なので、使用できる機器もPCやタブレット、スマホ、電子タバコ、ワイヤレスイヤホンなどです。
一方で、ポータブル電源はモバイルバッテリーよりも容量が大きく、幅広い用途を想定して作られています。いろいろな機器が利用できるように、USBやコンセント、シガーソケットなど複数の接続端子を併せ持つ場合が多いのが特徴です。とくに屋外で強い電力を長時間利用する場合はおすすめで、照明や映像、音響をはじめ、冷暖房設備や調理機器などあらゆる電化製品が利用できます。
まとめ
今回はモバイルバッテリーとポータブル電源の違いについて紹介しました。主にモバイルで利用できるモバイルバッテリーは大容量なものは少ないですが、持ち運びやすい重さのため日常シーンで活躍してくれます。一方で、いろいろな電化製品に対応可能なポータブル電源は大容量なものも多く、アウトドアシーンで活躍してくれるアイテムです。使用する目的を考えて、どちらを購入するか検討しましょう。